虎の巻15 「注目度の高い米国雇用統計」
今回はFXの基本問題です
QFXの動きに影響する米国の経済指標の中でも、雇用統計は注目度の高い指標の一つです。
次の3つのうち雇用統計として集計されていない項目はどれでしょうか。
答え
- C農業部門就業者数
農業部門の就業者数は、天候によって作付けや収穫の時期・規模が変動するため、それに伴い雇用者数も大きく変動します。よって、安定的な集計結果が得られないので、雇用統計では集計されません。
【虎の巻アドバイス】
雇用統計の発表の際には、相場が大きく動く可能性があることを理解してください。また、スプレッド(売値と買値の差)が通常よりも大幅に拡大する可能性やスリッページが発生する可能性があるため、注意が必要です。
さまざまな経済指標の意味を理解し、どのような指標に変化が生まれると相場にどれほどの影響を与えるかを検証していくこともFXを理解する有効な方法の一つです。
※スリッページ:注文の約定時に生じる、発注価格と実際に約定した価格との差のことです。
次回、虎の巻更新をお楽しみに!
本記事は2017年4月1日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
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解説
米国雇用統計とは、米国の労働統計局(BLS)が原則毎月第一金曜日に発表する、米国の雇用情勢を調べた景気関連の経済指標のことです。これは、全米の企業や政府機関などに対してサンプル調査を行い、10項目(失業率、非農業部門就業者数、建設業就業者数など)の統計数字が発表されます。通常、雇用情勢の変化は、個人所得や個人消費などにも関係し、また今後の景気動向にも大きな影響を与えるため、米国の経済指標(GDPなど)の中でも特に注目が集まります。
米国雇用統計の中でも特に注目される項目は、「失業率」と「非農業部門就業者数」で、「非農業部門就業者数」は、金利政策を担当する連邦準備制度理事会(FRB)も重視しているほどです。発表される非農業部門就業者数は、農業以外の産業で働く就業者の前月比での増減数を示しています。毎月着実に増加が続けば景気が良いと判断され、インフレへの警戒が生まれて、やがて利上げの観測にもつながります。
ただし、発表された数値が良かったとしても、事前予想と乖離している場合、反対の動きをする場合もあります。
※BLS = Bureau of Labor Statistics
※FRB = Federal Reserve Board