FX取引において、あなたの大切な資産を守るための仕組みが「ロスカット」です。
しかし、同時にこれはあなたの取引が強制的に決済され、損失が確定してしまう重要なリスク管理のルールでもあります。このロスカットの仕組みを正しく理解することで、安全なFX取引が可能になります。
この記事では、FX初心者の方でも理解できるよう、ロスカットの基本、具体的な計算方法、そしてロスカットを回避するための実践的な対策までをわかりやすく解説します。
ロスカットはあなたの全財産を失うような致命的な損失の拡大を防ぐ「最後の砦」です。安全に資産運用を行うために、ロスカットを「恐れるもの」ではなく「味方につけるもの」へと変えていきましょう。
ロスカットとは、含み損が一定の水準を超えた場合に、保有しているポジションがFX会社によって強制的に決済される仕組みです。
FXはレバレッジという仕組みを利用することで、少額の資金で大きな金額の取引ができます。これは大きな利益を得られる可能性がある一方で、予想と反対方向に相場が動いた場合、損失も大きくなり、値幅によっては元本を超える損失が生じる可能性もあります。
ロスカットはこのような損失の拡大からトレーダーを守るための安全装置として、すべてのFX会社で導入されています。
参考)レバレッジとはなんですか
ロスカットと似た言葉に「損切り」があります。どちらも損失を確定させる行為ですが、決定的な違いがあります。
ロスカット: FX会社が強制的に執行する決済
損切り: トレーダー自身の判断で行う任意の決済
損切りは自分でタイミングやルールを決めて注文を執行します。一方、ロスカットは証拠金維持率という明確な基準に基づいて執行されるため、トレーダーの意思とは関係なく決済されます。
損失をコントロールするためには、ロスカットが発動する前に自分で損切りを行うことが理想的です。
ロスカットは証拠金以上の損失を防ぎ、トレーダーの資産を保護する重要な役割を果たしています。
FX取引では、レバレッジにより証拠金の最大25倍までの取引が可能です。これは少額の資金で大きな利益を狙える魅力的な仕組みですが、同時に予想外の相場変動が起きた場合、短時間で大きな損失が発生するリスクもあります。
もしロスカットの仕組みがなければ、損失が際限なく拡大し、預けた証拠金をはるかに超える損失を被る可能性があります。ロスカットはそのような事態を防ぐための最後の砦なのです。
ロスカットは金融商品取引法に基づいてFX会社に義務付けられている制度です。
国内FX会社の多くは、顧客の損失を一定水準で食い止めるために、ロスカットルールを設定し、それを遵守することが求められています。これにより、投資家保護の観点から、業界全体で一定の安全水準が保たれています。
証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金(必要証拠金)に対して、実際にどれだけ資金的余裕があるかを示す指標です。ロスカット判定の基準として使用されます。
証拠金維持率が高いほど資金的な余裕があり、安全な状態です。逆に証拠金維持率が低いほどロスカットのリスクが高まります。
証拠金維持率が100%を下回ると、有効証拠金が必要証拠金を下回っていることを意味します。つまり、ポジションを維持するための資金が不足している状態です。
GMO外貨では、証拠金維持率が50%を下回った時点でロスカットが執行されます。
ロスカット執行時には保有しているすべてのポジションが強制的に決済され、発注中および予約中の注文もすべてキャンセルされます。
参考)ロスカットとはなんですか
GMO外貨では、ロスカットが発動する前に「ロスカットアラート」でお客様に通知します。この「ロスカットアラート」は、FX取引において「マージンコール」と一般的に呼ばれる証拠金不足を知らせる警告通知に該当します。
証拠金維持率が100%を下回った時点で、メールおよび取引画面で警告が表示されます。
この通知を無視し、定められた期限までに入金やポジション決済といった有効な対策が取られなかった場合、最終的にロスカットが強制的に執行され、全てのポジションが決済されることになります。
具体的に、1万通貨あたりどのくらい証拠金が必要かを知りたい場合は、「1万通貨あたりの取引証拠金」を参考にしてください。
実際の取引を想定して、ロスカットまでの流れを計算してみましょう。
必要証拠金 = 150円 × 1,000通貨 × 4% = 6,000円
有効証拠金 = 50,000円(評価損益はまだゼロ)
証拠金維持率 = 50,000円 ÷ 6,000円 × 100 = 833.3%(証拠金維持率)
この時点では、十分な資金的余裕があります。
それでは、相場が不利な方向に動いた場合、証拠金維持率がどのように変化するか見ていきましょう。
まだ余裕がありますね。
この時点でロスカットアラートがメールや取引画面で通知されます。速やかに証拠金の入金を行うか、ポジションの決済を行い、ロスカットを回避する必要があります。
証拠金維持率が50%を下回りました。この時点でロスカットが執行され、保有ポジションは強制的に決済されます。
重要な経済指標の発表や突発的なニュースにより、短時間で相場が大きく変動することがあります。
例えば、週末に大きな経済ニュースが発表され、週明け月曜日の始値が金曜日の終値から大きく乖離するケースです。このような場合、保有ポジションの評価損が急拡大し、値幅によっては元本を超える損失が生じるおそれがあります。
レバレッジを高く設定した場合、わずかな価格変動でも証拠金維持率は大きく変動します。
例えば、証拠金の25倍の規模のポジションで取引している場合、わずか4%の逆行で必要証拠金と同額の損失が発生します。証拠金ギリギリでポジションを持っている場合は、ほんの少しの値動きでロスカットされるリスクがあります。
複数の通貨ペアでポジションを持っている場合、一つの通貨ペアで大きな損失が発生すると他のポジションに影響を及ぼし、口座全体の証拠金維持率が低下します。
GMO外貨では口座全体の証拠金維持率でロスカット判定が行われるため、複数ポジションを保有する際は、総合的なリスク管理が重要です。
相場が急激に変動している場合、ロスカットラインから乖離した不利な価格で決済される可能性があり、証拠金を上回る損失が発生するリスクがあります。
参考)ロスカットとはなんですか
FX市場は土曜日と日曜日は休場のため、ロスカット判定も行われません。
週末に重大なニュースが発表され、金曜日の終値の価格と月曜日の始値の価格に大きな差が発生することがあります。
ロスカット判定は月曜日の取引開始と同時に行われるため、週末のニュースによっては、想定以上の損失でロスカットされる可能性があります。週末をまたいでポジションを保有する際は、十分な証拠金維持率を保つことが重要です。
実際の取引では、スプレッドやスワップポイントも証拠金維持率に影響を与えます。
参考)スプレッドとはなんですか
特に、マイナススワップが発生する通貨ペアを長期保有する場合、毎日スワップポイントが差し引かれるため、相場が動かなくても少しずつ有効証拠金が減少していきます。証拠金維持率が50%付近まで低下している場合、スワップポイントの支払いだけでロスカットされる可能性もあるため注意が必要です。
ロスカットを回避する最も基本的な方法は、低いレバレッジで取引することです。
レバレッジが低ければ、同じ価格変動に対する損益の変動幅も小さくなります。初心者の方は、低レバレッジでのお取引から始めることをおすすめします。
例えば、GMO外貨ならレバレッジ1倍、10倍コースがあり、コース変更するすることで低レバレッジで取引することが可能です。レバレッジを低くするほど価格変動に対する耐性が高く、ロスカットされにくくなります。
ロスカットが強制執行される前に、自分で損切りを行うことが重要です。
損切りラインは、ポジションを持つ前にあらかじめ決めておき、感情に左右されずに機械的に実行することが成功への鍵です。
損切りを確実に実行するためには、「逆指値注文」を活用しましょう。
逆指値注文とは、指定した価格に達したら自動的に決済注文を出す注文方法です。新規ポジションを持つと同時に損切りラインに逆指値注文を設定しておけば、取引画面を常時監視しなくても、自動的に損失を限定できます。
GMO外貨では様々な注文方法が利用可能です。初心者の方は、まず逆指値注文の使い方をマスターすることをおすすめします。
参考)各種注文方法について
証拠金維持率がロスカットラインに近づいた際、追加で資金を入金することで証拠金維持率を引き上げることができます。
GMO外貨では、クイック入金サービスにより24時間いつでも手数料無料で入金が可能です。ロスカットアラートを受け取った段階で追加入金を行えば、ロスカット執行を回避できます。
ただし、追加入金はあくまでも一時的な対策です。相場のトレンドが不利な方向に続く場合、さらに損失が拡大する可能性があるため、相場状況を冷静に判断することが重要です。
参考)追証とはなんですか
複数のポジションを保有している場合、一部のポジションを決済することで必要証拠金を減らし、証拠金維持率を回復させることができます。
全ポジションを決済する必要はなく、損失が比較的小さいポジションや、今後回復が見込めないポジションから優先的に決済していくことで、ロスカットを回避しつつ、有望なポジションは保持し続けることが可能です。
FX取引は必ず余裕資金で行いましょう。生活費や近い将来必要になる資金を投資に回すことは絶対に避けるべきです。
余裕資金であれば、万が一損失が発生しても生活に支障をきたすことはなく、冷静な判断ができます。焦りや不安から感情的な取引をすると、さらに損失を拡大させる悪循環に陥りやすくなります。
初心者の方は、証拠金維持率を200%以上に保つことをひとつの目安にしましょう。
証拠金維持率200%とは、必要な証拠金の2倍の有効証拠金がある状態です。これにより、ある程度の価格変動にも耐えられる余裕が生まれます。ロスカットラインギリギリでの取引は避け、常に資金的余裕を持つことが長期的な成功につながります。
実際の資金を使う前に、デモ取引で十分に練習することをおすすめします。
GMO外貨の「外貨exデモトレード」では、実際の取引環境とほぼ同じ条件でバーチャル取引を体験できます。デモ取引で証拠金維持率の変化やロスカットのリスクを体感することで、リアルマネーでの取引時に冷静な判断ができるようになります。
FXで成功するためには、継続的な学習が不可欠です。
経済指標の見方、テクニカル分析の手法、リスク管理の方法など、学ぶべきことは多岐にわたります。GMO外貨では、経済指標カレンダーやマーケット情報など、投資判断に役立つ様々な情報を提供しています。
これらの情報を活用しながら、日々知識を蓄積していくことが、ロスカットのリスクを減らし、安定した収益につながります。
本記事では、FXのロスカットについて、その仕組みから計算方法、回避策まで詳しく解説しました。
ロスカットは損失を限定するための重要な仕組みですが、最終的な安全網に過ぎません。自分自身で適切なリスク管理を行い、ロスカットが発動する前に対処することが、FX取引で成功するための鍵となります。
正しい知識と冷静な判断力を持って、あなたもGMO外貨の「外貨ex」で資産形成の第一歩を踏み出してください。
ロスカットは、FX取引において避けては通れない重要な仕組みです。正しい知識を身につけ、適切なリスク管理を行うことで、ロスカットのリスクを最小限に抑えながら、安全にFX取引を楽しむことができます。
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最小取引単位は1,000通貨から。約数千円の証拠金で取引を始められるため、初心者の方も無理なくスタートできます。
FXは正しい知識とリスク管理の姿勢があれば、あなたの資産形成を力強くサポートする投資です。本記事でロスカットの基礎を正しく理解したうえで、実際に取引を始めてみましょう。
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十分に予行演習をして、実際の取引を始めるのがおすすめです。
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