スペシャル・トレンドレポート

見たこともないような大規模な利上げとバランスシート縮小が迫る!

2022年2月16日

1)40年ぶりの7.5%の衝撃!
~インフレを放置したパウエル議長は歴史に残るFRB議長に~

このレポートでも何度か紹介したように、米国のインフレは急激に高まっている。
しかし、FRBは「一定期間の平均を取ってインフレが2%前後に収まれば、動く必要はない」とのスタンスを維持し全く動かず。
結果、インフレはさらに高進し、米1月のCPIは前年同月比で+7.5%に急騰。

7.5%まで急騰した数字の前では、「一定期間をとって2%前後に収まる」という説明はもはや意味はない。

つまり、FRBの判断は間違いだったわけで、今回インフレを放置したパウエル議長は歴史に残るFRB議長になることは確定的。

FRBに残された手段は、インフレを抑え込むために急激な引き締めしかない。

早速、セントルイス連銀のブラード総裁が7月1日までに合計1.0ポイントの政策金利引き上げを支持するとコメント。
これは、2000年以来となる1回に0.5ポイントの利上げも含むことを意味する。

よって、これから我々は見たこともないような大規模な利上げとバランスシート縮小を目の当たりにすることになる。

では、急激な米金利の急騰が金融市場にもたらす影響がどのようなものかを考えてみよう。

2)米金利の急騰とドル円の相関性は?日銀の指値オペの効果は?

まず大規模な利上げによる米金利の急激な上昇は、米株、特にグロース株を含むNasdaqの急激な下落を誘引する。
このNasdaqの急落が為替市場に与える影響は後述する。

次に米金利の急騰が及ぼす影響といえば、ドル高。
ただ今回の急激なインフレによる金利の急騰は、米国に限らず、欧州も同様。

例えば、今月3日のECB理事会後にラガルド総裁は突然のタカ派のコメントをし、ユーロドルの急騰を誘引した。

では日銀はどうか?

日銀は指値オペ(あるいは通常オペ増額)を駆使し10年債金利が0.25%を超える金利上昇圧力を断固封じ込めると発表。

よって、日米金利差の急拡大から一時ドル円は116.34円まで上昇したが、ウクライナ情勢の緊迫化から、あっさり反落。

ここでドル円と日米金利差の関係をチェックしてみよう。

添付図は米10年債利回りの日足。

今年の米10年債利回りは年初の1.5274%から本稿執筆時点(2月11日)に到達した高値である2.0609%へと急騰している。
一方、日本の10年債利回りが0.25%で固定されている。

米10年債利回りが今後も急騰していくと考えれば、日銀により金利上昇が抑えられている日本10年国債利回りは上がらず、金利差からドル円は急騰するはずである。

実際のドル円だが、年初115.08円でスタートし、2月11日の週の終値は115.42円。

つまり、年初から米10年債利回りは急騰しているにも関わらず、ドル円は34pipsしか上昇していないことになる。

これは後述するNASDAQの急落が、ドル円の上値を抑え込んでいるわけだが、どちらにせよ、日米金利差がこれだけ拡大している中、膠着しているドル円に投資しても収益があがらないのがわかる。

では、これまで我々が見たこともないような大規模な利上げとバランスシート縮小を目の当たりにすることが予定されている中、為替市場ではどのようなトレードをすればいいのか?

3)Nasdaqの急落と中国・不動産バブル崩壊懸念で豪ドル円の下値余地が拡大。

前述のように、FRBによる大規模な利上げとバランスシート縮小が迫る環境下では、グロース株を含むNasdaqの下落は顕著となっている。

添付図は、Nasdaqの日足。

年初からの米金利の急騰に連動し、Nasdaqは一時13,094ドルまで急落。

今月に入り、調整に入ったが、200日移動平均線(赤色=14,736ドル)まで回復しきれず再び下落開始。

この動きに追随して下落しているのが豪ドル円。

添付図がNasdaqと豪ドル円の日足の相関チャート。

年初からのNasdaqの急落に並走するように豪ドル円も急落しているのがわかる。

もうひとつ筆者が豪ドル円に注目している理由が中国経済の悪化。

それを明確に主張しているジョージ・ソロスの記事をみつけたので、紹介する。

=====

ソロス氏「中国、不動産バブル崩壊で経済危機に直面」

スタンフォード大学での講演で中国の経済危機を警告 習近平政権の不動産産業の信頼回復には疑問 「不動産の暴落を経験した人民が習近平主席に反対するだろう」

中国は昨年の不動産バブルの崩壊により経済危機に直面していると、世界的な投資家のジョージ・ソロス氏が警告した。

ソロス氏は7日、米国のスタンフォード大学で行った講演で、中国の習近平国家主席は苦境に陥った不動産産業で信頼を回復できないかもしれないと語った。CNNが報道した。

中国の不動産産業は、最大手の不動産開発会社の一つである恒大集団(エバーグランデ・グループ)が事実上破産するなどの一連の破産騒動に続き、土地と住宅価格の暴落に苦しめられている。

ソロス氏は、中国の不動産ブームは、地方政府に利益を与え国民に貯金のかなりの部分を不動産に投資するようあおり立てる「持続可能ではない」モデルに基づいていると指摘した。

2/11 yahooニュース配信

ハンギョレ新聞

=====

筆者は、昨年から燻る中国の不動産バブルの崩壊が明確となるのが、今年の北京オリンピックが終わった後だと想定していたが、その北京オリンピックが終了予定の2月20日が目前に迫ってきた。

加えて、直近はロシアのウクライナ侵攻も噂されている。

米金利の急騰による米株の急落。

そして中国の不動産バブルの崩壊に、ロシアのウクライナ侵攻の可能性と、今年に入って、株にとってネガティブな報道が重なる。

こうした環境下、株同様リスクアセットという側面を持っているがゆえ、下値余地が拡大している豪ドル円の行方に注目。

西原 宏一氏プロフィール

西原 宏一(にしはら こういち)
株式会社CKキャピタル代表取締役・CEO
青山学院大学卒業後、1985年大手米系銀行のシティバンク東京支店入行。1996年まで同行為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任し、現在(株)CKキャピタルの代表取締役。ロンドン、シンガポールのファンドとの交流が深い。

本記事は2022年2月16日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
記事の内容は、西原宏一氏の個人的な見解かつ、掲載当日のものになるため、今後の見通しについての結果や情報の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。また、記事内のデータは、あくまでも過去の実績であり、将来の市場環境の変動などを保証するものではありません。
さらに、かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について株式会社CKキャピタル、および外貨ex byGMO株式会社は一切責任を負いません。最終的な投資判断は、他の資料等も参考にしてご自身の判断でなさるようお願いいたします。
※コンテンツ、データ等の著作権は外貨ex byGMO株式会社に帰属します。私的利用の範囲内で使用し、無断転載、無断コピー等はおやめください。

外貨ex口座開設者限定コンテンツ「プレミアムレポート」のご紹介

外貨exのお客さま限定の情報をお届けしております。PCの取引画面や外貨exアプリからご利用いただけます。

みんなのオーダー

外貨exで取引されているお客さまのポジション状況をグラフ化し毎日更新しています。

ご覧いただくには外貨exの口座をお持ちいただく必要があります。

外貨exの口座をお持ちの方

【スマートフォンをご利用のお客さま】
>外貨exアプリのダウンロードはこちら
①「外貨exアプリ」にログイン
②「為替情報」→「プレミアムレポート」

【パソコンからをご利用のお客さま】
>パソコン版取引画面へのログインはこちら
①取引画面にログイン
②左側メニュー「投資ツール」→「ニュース・レポート」→「プレミアムレポート」

外貨exの口座をまだお持ちでない方

新規口座開設(無料)はこちら

関連する記事

外貨exアカデミー

シリーズから選ぶ

投資にかかる手数料等およびリスクについて
当社ホームページ記載の金融商品へのご投資には、商品ごとに所定の手数料等をご負担いただく場合があります。各商品には価格の変動による損失が生じるおそれがあります。また、店頭外国為替証拠金取引をお取引いただく場合は、当社所定の証拠金が必要となり、元本を超える損失が生じるおそれがあります。なお、商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、当該商品等の「契約締結前交付書面」、「契約締結時交付書面」及び「目論見書」等をよくお読み頂き、それら内容をご理解の上、ご自身の判断と責任において、自己の計算によりお取引を行ってください。

FX・バイナリーオプションなら外貨ex byGMO
当社はGMOインターネットグループ
(東証プライム上場9449)のメンバーです。
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第271号
加入協会 日本証券業協会 
一般社団法人金融先物取引業協会 
一般社団法人日本投資顧問業協会

外貨ex byGMO